一番鍛えてほしい筋肉は内側広筋です。膝痛の方にまずやってほしい簡単トレーニング#159
2026年05月20日

一番鍛えてほしい筋肉は内側広筋です。膝痛の方にまずやってほしい簡単トレーニング#159

膝が痛い方に「まずどこの筋肉を鍛えたらいいですか?」と聞かれたら、私が一番にお伝えしたいのが内側広筋です。
太ももの前には大腿四頭筋という大きな筋肉が4つありますが、その中でも膝痛の方にとって特に大事なのが、膝の内側にあるこの内側広筋です。ここがしっかり働いてくれると、膝関節が正しく伸びやすくなって、動きが安定します。言ってみれば、自分の筋肉でつくる「天然のサポーター」みたいなものです。
実際、膝の痛みがある方、変形性膝関節症の方、O脚気味の方、サポーターが手放せない方は、この膝の内側が痩せてきていたり、うまく使えていなかったりすることがとても多いです。
今回は、タオル1枚あればできる方法を中心に、座ってできるもの、床でできるもの、寝ながらできるもの、立ってできるものまでまとめてご紹介します。難しい器具はいりません。日常のすき間時間に入れやすいものばかりです。
目次
- なぜ内側広筋が大事なのか
- まずは座ってできるトレーニング3つ
- 床でできる4の字トレーニング
- 寝ながらでもできる
- 立ったままできる壁トレーニング
- 内側広筋を鍛えるときの注意点
- 毎日続けるコツ
- まとめ
- FAQ
なぜ内側広筋が大事なのか
内側広筋は、膝をグッと伸ばすときに最後のひと押しをしてくれる筋肉です。逆に言うと、膝が伸び切らない方は、この筋肉が弱っているか、うまく入っていないことが少なくありません。
触る場所の目安としては、膝のお皿の内側斜め上あたりです。膝をしっかり伸ばしたときに、このあたりに筋肉のふくらみが出にくい方は、内側広筋が落ちている可能性があります。
膝痛の方によくあるのが、膝が内に入り、つま先が外を向くような崩れた使い方です。こうなると膝関節に負担がかかりやすくなります。内側広筋を鍛えることで、この崩れを防ぎやすくなり、膝の安定感が出てきます。
まずは座ってできるトレーニング3つ
1. タオルを使って斜めに伸ばす
最初は椅子に座った状態で行う方法です。片脚を少し斜め前に出して、タオルを膝の下から通し、膝の上あたりでクロスさせます。
ここで大事なのは、内側から来るタオルが上になるようにクロスすることです。イメージとしては、膝の内側を少し持ち上げるように抵抗をかけ、その抵抗に逆らって膝を伸ばします。
やることはシンプルです。
- 片脚を少し斜め前に出す
- タオルを膝の下から通して上でクロスする
- 内側を少し持ち上げるように軽く引く
- その抵抗に逆らって膝をしっかり伸ばす
- 伸ばしたところで少しキープする
タオルを強く引っ張りすぎる必要はありません。軽く抵抗がかかる程度で十分です。ポイントは、膝の内側にしっかり力が入っているかを感じることです。
テレビを見ながらでもやりやすい方法なので、続けやすいのが良いところです。
2. 椅子に座って両脚で真っすぐ押し込む
次は、椅子に座ったまま両脚を前に垂らした姿勢で行います。かかとを床につけ、つま先を上げます。足先は外に向けず、なるべく真っすぐです。
その状態から、床を斜め前に押し込むようなイメージで膝を伸ばします。感覚としては、何か板をグーッと押し込む感じです。
このとき、つま先が下がったり外を向いたりすると、内側広筋に入りにくくなります。つま先を上げて、膝を伸ばしながら押し込む。これだけで内側にしっかり力が入ります。
スポーツクラブのマシンに行かなくても、自宅でこういう負荷のかけ方は十分できます。
3. お皿の動きを触って確認する
これはトレーニングというより、内側広筋をちゃんと使えているか確認する練習です。
膝のお皿の上、内側広筋のあたりに手を置いて、膝を伸ばします。ただ伸ばすだけではなく、お皿を上に引き上げるような意識で力を入れてみてください。
うまく入ると、お皿の上が締まり、筋肉が盛り上がる感じがわかります。逆に、ただ脚を伸ばしているだけだと、お皿がフワッと動く感じで、支える力が足りません。
膝を安定させるときは、お皿がぐらつかず、しっかり止まる状態が理想です。この感覚を覚えておくと、他のトレーニングでも効かせやすくなります。
床でできる4の字トレーニング
床に座って行う方法です。以前ご紹介している、膝の裏にペットボトルを入れてつぶすトレーニングと理屈は同じです。ただ、今回は道具を使わず、自分の脚を使います。
やり方は、片脚を4の字にして、反対側の膝裏あたりに足を当てます。そして、足首をしっかり反らせた状態で、膝裏で押しつぶすように力を入れます。
- 床に座る
- 片脚を4の字に組む
- 反対の膝裏に足を当てる
- 足首を上に反らせる
- 膝裏で押し込むように力を入れる
ここでも大切なのは、つま先を外に向けず、股関節から膝、つま先までなるべく真っすぐにすることです。足首を反らせずにやると、太ももの裏ばかり使いやすくなります。内側広筋を狙うなら、反らせて押し込む意識が大事です。
4の字姿勢が痛くて難しい方は無理をしないでください。できる方には、道具なしで取り入れやすい便利な方法です。
寝ながらでもできる
「床に座るのもしんどい」「できるだけ楽な姿勢でやりたい」という方には、寝たままの方法もあります。
やり方は床の4の字と同じです。仰向けで寝て、片脚を4の字にし、下に引いた脚で押さえ込むように力を入れます。10秒ほどグッと押して緩める。これを左右交互に繰り返します。
寝ながらやると横着に思われるかもしれませんが、全然そんなことはありません。大事なのは、完璧な環境を整えることではなく、無理なく続けられる形でやることです。
何もやらないより、寝ながらでもやる方がずっといい。これは本当にそうです。
立ったままできる壁トレーニング
最後は、立ったままできる内側広筋トレーニングです。これもかなり使いやすい方法です。台所にいるとき、歯磨き中、ちょっと待ち時間があるときなどに入れられます。
やり方は、壁にお尻をつけるように立ち、鍛えたい側の脚のかかとを壁につけます。反対側の脚は少し前に出して支えにします。
そこから、鍛えたい側のつま先を少し持ち上げると、自然に膝が伸びやすくなり、太ももの内側にしっかり効いてきます。膝裏を壁にベタッと押しつけるような感覚です。
- 壁にお尻をつけて立つ
- 鍛えたい側のかかとを壁につける
- 反対脚を少し前に出す
- 鍛えたい側のつま先を上げる
- 膝裏を壁に押しつけるように力を入れる
これ、やってみると意外ときついです。でも短時間でも十分効きます。10秒くらい力を入れて休憩、また10秒、という形でも構いません。
「今日は何もしてないな」という日に、歯磨きしながら1分だけでもやってみてください。こういう積み重ねが、膝の安定感を大きく変えていきます。
内側広筋を鍛えるときの注意点
どの方法でも共通して大事なのは、次の3つです。
- 膝をしっかり伸ばすこと
- つま先を外に逃がさないこと
- 内側に力が入っている感覚を確認すること
内側広筋は、膝を中途半端に伸ばしているだけでは入りにくく、最後までしっかり伸ばしたときに働きやすい筋肉です。年齢を重ねると特に落ちやすく、60代以降では差が出やすい部分でもあります。
立つ、座る、歩くといった動きの中で、膝を少し曲げたままばかり使っていると、内側広筋がどんどんサボりやすくなります。だからこそ、意識して鍛える価値があります。
毎日続けるコツ
筋トレというと、時間を作って、道具を出して、しっかりやらないといけないと思いがちです。でも、膝のリハビリや膝痛対策は、それで続かなくなることが多いです。
おすすめは、生活の中に差し込むことです。
- ソファに座ったらタオルトレーニング
- 床に座ったついでに4の字で押し込み
- 寝る前に仰向けで10秒ずつ
- 歯磨き中に壁トレーニング
全部やらなくても大丈夫です。その日の体調や場面に合わせて、やりやすいものを1つでも2つでも続けることが大切です。
まとめ
膝痛の方に一番鍛えてほしい筋肉は、やはり内側広筋です。
ここが働くと、膝関節が安定しやすくなり、サポーターに頼りっぱなしではなく、自分の筋肉で支えられる状態に近づいていきます。70代でも80代でも、しっかり使えるようになれば、膝の安心感は変わってきます。
大切なのは、難しいことをすることではなく、続けられる形でコツコツやることです。タオル1枚、床、壁、自分の脚。これだけでも十分始められます。
膝の内側が弱っている感じがある方、サポーターが手放せない方、膝をしっかり伸ばしにくい方は、ぜひ今日から取り入れてみてください。
FAQ
内側広筋はどこにありますか?
太ももの前側にある大腿四頭筋の一部で、膝のお皿の内側斜め上あたりにあります。膝をしっかり伸ばしたときに、その部分が盛り上がる感じが出ると使えている目安になります。
膝痛があるときでも鍛えて大丈夫ですか?
今回の内容は、強い負荷をかけるというより、膝を安定させるための軽めのトレーニングが中心です。ただし、痛みが強く出る動きは無理に続けず、できる範囲で行ってください。
タオルがない場合はどうしたらいいですか?
床での4の字トレーニングや、寝ながら行う方法、壁を使った立位トレーニングならタオルなしでもできます。道具がなくても続けられる方法を選ぶのがおすすめです。
どれくらいやればいいですか?
1回に長時間やる必要はありません。10秒から30秒のキープを数回、あるいは1分程度でも十分です。大事なのは、1日で頑張ることよりも、毎日少しずつでも続けることです。
サポーターを使っている人にも役立ちますか?
役立ちます。内側広筋がしっかり働くと、膝を自分の筋肉で支えやすくなります。サポーターの代わりになるという意味ではなく、筋肉による自然な支えを育てていくイメージです。









