ひざ痛の原因はまさかのココでした。膝ではなく股関節を見直す理由#164
2026年06月26日

ひざ痛の原因はまさかのココでした。膝ではなく股関節を見直す理由#164

膝が痛いと、どうしても膝そのものばかり気になります。
実際、施術の現場でも「痛いのは膝なんやから、膝を触ってほしい」と言われることは少なくありません。でも、膝の痛みを長く抱えている方ほど、原因が膝以外にあることが本当に多いです。
その代表が股関節です。
私自身、膝の不調がある方をみる時は、まず股関節の動きをかなり丁寧に確認します。そこを整えると、さっきまで歩きにくかった人が歩きやすくなったり、膝の曲げ伸ばしが少し楽になったりすることがあります。こういう変化が出ると、「膝だけの問題ちゃうかったんや」と実感される方が多いです。
目次
- 膝は「動く関節」ではなく「支える関節」
- 股関節が硬くなると、膝が代わりに頑張ってしまう
- 膝痛のある人ほど、股関節チェックが大事
- 私が実際に感じる左右差
- 座ったままでできる股関節ケア
- 寝ながらできる股関節ケア
- やる時の注意点
- 股関節が動けば、膝は楽になる可能性がある
- FAQ
膝は「動く関節」ではなく「支える関節」
体には、それぞれ役割があります。
リハビリやスポーツの分野では、関節には大きく分けてよく動く役割と安定して支える役割があり、それが交互に並んでいるという考え方があります。
- 足首は動く
- 膝は支える
- 股関節は動く
- 腰は支える
こんなふうに、動くところと支えるところが交互にあるから、体はしなやかに動けます。
もし全部の関節がグラグラ動くだけなら、体は安定しません。逆に全部が固く支えるだけなら、ロボットみたいなぎこちない動きになります。
つまり、膝は本来、いろんな方向にグリグリ動くための関節ではないんです。膝の主な仕事は体重を受けて安定することです。
股関節が硬くなると、膝が代わりに頑張ってしまう
股関節は、曲げる、伸ばす、開く、閉じる、内にひねる、外にひねるなど、自由度の高い関節です。
一方で膝は、基本的には曲げる、伸ばすが中心です。ところが、股関節が硬くなって本来の仕事をしなくなると、足全体の動きのしわ寄せが膝にきます。
たとえば、体をひねる時に本当は股関節が回ってほしいのに、そこが途中までしか動かない。そうすると足先や膝が無理にねじれやすくなります。
この状態が続くと、
- 膝の内側に負担が集中する
- 膝がねじれやすくなる
- 軟骨や半月板に余計なストレスがかかる
- 歩く、立つ、座るの動作で痛みが出やすくなる
特に変形性膝関節症の方では、こうした負担の積み重ねが長年続いていることもあります。
膝痛のある人ほど、股関節チェックが大事
ここはかなり大事です。
膝が痛い = 膝だけが悪いとは限りません。
むしろ、股関節がしっかり動いていないせいで、膝が必要以上に働きすぎているケースは珍しくありません。逆にいえば、股関節が本来のように動けるようになると、膝は「支えること」に専念しやすくなります。
その結果、歩行や立ち座りでの負担が減り、痛みが和らぐ可能性があります。
私が実際に感じる左右差
こういう話をすると、「専門家は柔らかいから別やろ」と思われることがあります。でも、私自身も動きを確認すると、はっきり苦手な方向があります。
たとえば、右の股関節を内側にひねる動きでは、少し詰まる感じが出ます。逆に左はまだ動きやすい。別の回し方では左がぎこちないこともあります。
つまり、股関節の硬さや苦手な方向は、誰にでも起こりうるということです。
大事なのは、完璧に動かすことではなく、自分の体のどの動きが苦手かを知ることです。そこが、膝に負担をかけているヒントになります。
座ったままでできる股関節ケア
膝が痛い方は、いきなり大きく動くのがつらいことがあります。そんな時は、まず座って行う方法がおすすめです。
1. 骨盤を前に倒して股関節を曲げる
浅めに椅子へ座り、背中を丸めるのではなく、胸を軽く開きながら骨盤を前へ倒します。
ポイントは、上半身を折りたたむというより、股関節の根元から曲げる感覚です。太ももと下腹部を近づけるイメージで行います。
前に倒す、戻すを5回ほど。慣れたら足幅を少し広げて同じように動かすと、開く動きも加わります。
2. 開く、閉じるを使って内もも周りを動かす
足をやや開いた位置から、手の力も使いながら膝を少し内側へ寄せたり、また開いたりします。
ここで無理に膝を動かすのではなく、太ももから股関節が内へ向いたり外へ向いたりする感覚を意識してください。
もし開きすぎてつらいなら、足幅は狭くして大丈夫です。
3. 股関節の内旋と外旋をゆっくり作る
足先が少し浮いてもかまいません。手で補助しながら、太ももごと内外にひねります。
この動きは、膝に問題がある人ほど苦手なことが多いです。本来は股関節で出したいねじれが出ないため、膝に負担がいきやすくなるからです。
痛みがある場合は小さく、慎重に行ってください。
4. お尻を左右に乗り換える
座骨を感じながら、左のお尻に少し体重を乗せ、戻し、次は右へ。
体を横に大きく振るのではなく、上体はなるべく立てたまま、お尻だけ静かに乗り換える感じです。
階段を上る時の小さな重心移動に近い動きで、これが苦手だと膝に負担が溜まりやすくなります。
5. 座って骨盤ごと大きく回す
足を少し広げ、骨盤を前後左右へゆっくり動かしながら大きな円を描きます。
小さく回すより、できる範囲で大きく回す方が股関節全体が使いやすいです。前に来た時は胸を少し開き、後ろに来た時は少し丸まるような流れで行うとやりやすいです。
6. 片脚ずつ前や内側を伸ばす
椅子の端に座り、片脚を少し外へ出して、骨盤を前に送りながら股関節の前側や内ももを伸ばします。
日常ではあまり使わない方向なので、つりそうになる人もいます。そこまで強くしなくて大丈夫です。
寝ながらできる股関節ケア
朝起きた時や、立って動くのがしんどい時は、寝たままのケアも有効です。
1. 膝を抱えて股関節を曲げる
片膝を両手で支え、できる範囲でお腹に近づけます。
膝そのものを無理に曲げるというより、股関節が曲がっている感覚を意識してください。少し内側へ寄せる意識を持つとやりやすい場合があります。
2. 開脚して力を抜く
寝たまま足を開き、無理のない位置で止めます。
頑張って広げるのではなく、重力に任せてじわっと開く感覚が大切です。力を抜くだけでも、意外と内もも周りがゆるみます。
3. 膝を立てて左右に倒す
両膝を立てた状態から左右へゆっくり倒します。
この動きは股関節だけでなく腰まわりも関係します。股関節の動きが悪い人は、腰が代わりに頑張ってしまい、腰痛につながることもあります。
4. 仰向けで股関節を回す
片脚ずつ大きめの円を描くように回します。
内から外、外から内の両方を行い、自分にとって引っかかる方向やぎこちない方向を見つけてください。小さな円から始めて、痛みがなければ徐々に大きくします。
やる時の注意点
- 膝に強い痛みがある時は無理をしない
- 大きく動かすより、痛みのない範囲で丁寧に行う
- 膝をねじるのではなく、股関節から動かす意識を持つ
- 左右差があっても焦らず、苦手な側を少しずつ続ける
- 痛みや体調不良が出たら中止し、必要に応じて医療機関へ相談する
股関節が動けば、膝は楽になる可能性がある
膝痛の改善というと、つい膝周辺の筋肉や関節ばかりに目が向きます。でも、膝は本来、安定して支えるのが仕事です。
その膝に、ひねる、逃がす、調整するまで全部やらせてしまうと、そらしんどくなります。
だからこそ、股関節をもう一度ちゃんと働かせることが大事です。
実際に動かしてみると、「ここ動いてなかったんやな」という場所が見つかるはずです。そこに気づけたら、膝のケアは一段深くなります。
膝ばかりに注目してなかなか変わらなかった方ほど、股関節から見直してみてください。
FAQ
膝が痛いのに、なぜ股関節を動かす必要があるのですか?
股関節は本来よく動く関節で、膝は安定して支える関節です。股関節が硬くなると、その不足分を膝が無理に引き受けてしまい、ねじれや偏った負担が生まれやすくなります。股関節の動きが改善すると、膝が本来の役割に戻りやすくなります。
変形性膝関節症でも股関節の体操はできますか?
できる場合は多いですが、痛みの強さや可動域には個人差があります。無理に大きく動かさず、痛みのない範囲で行うことが大切です。膝の内側に強い痛みが出る動きは控え、必要に応じて医療機関へ相談してください。
座って行う方法と寝て行う方法、どちらがいいですか?
膝を曲げにくい方や体力的にしんどい方は、まず座って行う方法が取り組みやすいです。朝のこわばりが強い方や立つのがつらい方は、寝たままの方法がやりやすいこともあります。続けやすい方から始めるのが一番です。
体操をすると股関節に詰まる感じがあります。続けていいですか?
軽い突っ張り感や動きにくさを感じる程度なら、硬くなっているサインのことがあります。ただし、鋭い痛みや強い違和感が出る場合は無理をしないでください。動きを小さくするか中止して、症状が続くなら専門機関で確認するのが安全です。
どのくらいの頻度で行えばいいですか?
毎日少しずつ続けるのがおすすめです。特に朝起きた時や、長く座った後など、股関節が固まりやすいタイミングで行うと効果的です。大事なのは回数よりも、痛みのない範囲で丁寧に続けることです。









