治療院の選び方にもつながる、痛みを改善するための考え方とセルフケアの基本#L025
2026年08月3日

治療院の選び方にもつながる、痛みを改善するための考え方とセルフケアの基本#L025

痛みが出たとき、「どこへ行けばいいのか」「何をしたらいいのか」と迷われる方は多いと思います。膝、腰、お尻、手首、指など、痛む場所は違っても大切な考え方は共通しています。それは、治療を受け身で任せきりにせず、今の自分の体を知り、自分でできるケアも少しずつ積み重ねていくことです。
今回でYouTubeライブを始めて丸1年になりました。基本的には2週間に1回、土曜日の夜に続けてきて、今回が25回目です。途中で曜日が変わったこともありましたが、1年休まず続けられたのは、本当に多くの方の質問や声があったからです。
文字だけのやり取りでは、どうしても細かなニュアンスまで伝えきれないことがあります。痛みの出方、生活のなかで困る動作、不安に感じていることを聞かせてもらうと、一般的な考え方やセルフケアのヒントを、より具体的にお伝えできます。
目次
- 大阪だけでなく、全国や海外の方ともつながれた1年
- 熊本の方から教えていただいた、継続する力
- お尻から太ももが痛くて座れないとき
- ヘバーデン結節のテーピングは指を伸ばして巻く
- 膝が伸びすぎる反張膝と、お皿の下の痛み
- TFCC損傷は手首だけを見ない
- 治療院の選び方で大切なのは、自分の状態を一緒に考えてくれるか
- 体は車と同じで、定期的な手入れが必要
- よくある質問
- 自分の体に関心を持つことから始めよう
大阪だけでなく、全国や海外の方ともつながれた1年
整骨院で仕事をしていると、以前は大阪市都島区の近隣を中心に、実際に来院できる範囲の方と関わることがほとんどでした。それが発信を始めてから、姫路、九州、関東、さらにはアメリカやブラジルなど、本当にさまざまな地域の方から相談をいただくようになりました。
直接お会いできなくても、セルフケアの情報が誰かの生活を少しでも楽にできる。これは、発信を続けてきて強く感じたことです。毎週のセルフケア情報はさかとう整骨院の動画一覧でも公開していますので、痛みのある場所や悩みに近い内容を探してみてください。
熊本の方から教えていただいた、継続する力
特に印象に残っているのが、熊本にお住まいの方とのご縁です。その方は手を使うお仕事をされていて、手根管症候群のため、手術も考えなければいけないほど困っておられました。
セルフケアの動画をきっかけにメッセージをいただき、一度大阪へ来られた際には、お母さまの腰の状態も含めて体の使い方やケア方法をお伝えしました。お母さまには、ウォーキングポールを使った姿勢の整え方なども実践していただきました。
その後、熊本でセルフケアを続けられ、約3か月後には手の痛みがほとんどなくなり、仕事も通常どおりできるようになったと連絡をくださいました。壁を使って腕、肘、手首まわりを動かすストレッチに加え、ご本人なりに伸ばした後のポンピング動作も取り入れて、朝晩や仕事終わりに続けておられたそうです。
もちろん、すべての痛みが同じように改善するわけではありません。ただ、体の状態に合わせて工夫し、無理のない範囲で続けることには大きな意味があります。私自身、こうした経過を知らせてもらうたびに、セルフケアは単なる体操ではなく、自分の体と向き合う時間なんだと改めて感じます。
お尻から太ももが痛くて座れないとき
お尻から太ももの後ろに痛みが出て、椅子に座れないという相談もありました。このような場合、坐骨神経痛のように腰から影響しているケースもあれば、お尻の筋肉が強く張って痛みを出しているケースもあります。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、背骨由来の問題も考えられるため、文面だけで決めつけることはできません。
ただ、お尻の筋肉の張りが強そうな場合には、痛みを我慢して強く伸ばすのではなく、次のように慎重に試してください。
- 股関節をゆっくり動かし、お尻に「痛気持ちいい」伸びを感じる角度を探す
- 支えが必要なら壁や椅子を使い、じわっと伸ばす
- フォームローラーやテニスボールを使うなら、強く押し込まず軽く当てる
- 痛みが増える、しびれが強い、動けないほどつらい場合は中止する
大事なのは、痛い場所を無理やりほぐすことではありません。どの姿勢、どの動きで痛むのかを確認しながら、負担を増やさない範囲で動かすことです。痛みやしびれが続く場合は、状態を直接確認できる医療機関や専門家に相談してください。
ヘバーデン結節のテーピングは指を伸ばして巻く
ヘバーデン結節では、指先の第一関節に痛み、腫れ、変形が出ることがあります。特に中高年の女性に多く、指を使う仕事や家事が続くと、日中だけでなく夜もズキズキ痛むことがあります。
テーピングをする場合は、基本的に指を伸ばした状態で巻くようにしてください。曲がった状態で固定すると、その姿勢のままになりやすいためです。伸ばした状態で少しテンションをかけて巻いても、日常で指を使っているうちにテープはほどよくなじんできます。
夜の痛みが強いときは、指をできるだけ休ませることも必要です。冷やす工夫が合うこともありますが、まずは使い過ぎを減らし、痛みの強い時期に無理を重ねないことを優先してください。
膝が伸びすぎる反張膝と、お皿の下の痛み
立ったときに膝がまっすぐを通り越して反るように伸びる状態を、反張膝といいます。女性や体が柔らかい方では比較的見られ、左右とも同じように反っているなら、その方の骨格や関節の柔らかさという個性が関係している場合もあります。
ただし、膝が反りやすいと、段差を強く下りたときや立ち上がるときに膝へストレスがかかりやすくなります。膝のお皿の下に痛みが出る場合も、反りすぎることで関節周辺に負担が集中している可能性があります。
靭帯を検査すればすべてが分かる、という話でもありません。まずは指導を受けている体操や筋力トレーニングを続けつつ、立ち方、重心、前側に体重がかかり過ぎていないかを見てもらうことが大切です。必要に応じて、膝や足の動きをよく見てくれる専門家へ相談してください。
仰向けで寝ると膝裏が布団に当たってつらい方は、薄いタオルを膝裏に入れる工夫もあります。タオルを厚くし過ぎず、膝が少し楽に感じる程度から試すのがポイントです。
TFCC損傷は手首だけを見ない
手首の小指側にあるTFCCは、骨同士の間でクッションのような役割をする三角線維軟骨複合体です。レジ打ち、スマートフォン操作、物を持つ動作などで手首を繰り返し使う方は、負担が長く続いて回復しにくいことがあります。
痛みがある時期には、テーピングなどで手首の動きを制限し、炎症を落ち着かせることが一つの方法です。ただ、手首だけを固定しても、仕事に戻ったとたん痛みがぶり返すことがあります。
そこで見てほしいのが、肩、肩甲骨、体幹の動きです。肩や腕全体を使えず、狭い範囲で手首だけを動かしていると、同じ場所へ負担が集中します。少しでも肩甲骨や体幹から動かせるようになると、必要な仕事の動作を変えなくても、手首にかかるストレスを減らせる場合があります。
治療院の選び方で大切なのは、自分の状態を一緒に考えてくれるか
病院でしかできないことは、もちろんあります。検査、薬、注射、手術などは、必要なときにきちんと受けるべきです。人工関節の手術が必要なら、それは医師にしかできません。
一方で、リハビリを続けること、体重を調整すること、日々の体の使い方を変えること、セルフケアを積み重ねることは、自分自身にしかできない部分です。
だから治療院や医療機関を選ぶときは、施術だけで終わるのではなく、なぜ痛みが出ているのか、自宅では何をすればいいのか、どんな動きを避けるべきかを分かりやすく一緒に考えてくれるかを見てください。
体には生まれ持った強い部分と弱い部分があります。骨が強い人もいれば、関節が柔らかい人もいる。目が悪ければ眼鏡が必要になるように、膝や手首が弱いなら、そこに少し時間や手間をかける必要があることもあります。それは悪いことではなく、自分の体を長く使っていくためのメンテナンスです。
症状別の具体的な取り組みは、症状別セルフケアの記事一覧にもまとめています。膝の痛み、歩き方、睡眠時の工夫、筋肉を支える運動など、自分に合うものから確認してみてください。
体は車と同じで、定期的な手入れが必要
車も車検を受け、オイルを替え、悪くなる前に点検します。体も同じです。痛みが限界になってから慌てるより、少し違和感がある段階でケアを始める方が、結果的に負担を小さくできることがあります。
年齢を重ねるほど、体の弱い部分は出やすくなります。でも、早い段階から体を動かし、必要なケアをしていけば、長く元気に動ける可能性は高まります。痛みがあるから何もできないではなく、今の自分にできることを一つずつ始めていきましょう。
よくある質問
お尻から太ももの痛みはストレッチだけでよくなりますか?
筋肉の張りが主な原因なら、やさしいストレッチや軽い動きで楽になることもあります。ただし、腰由来の痛みやしびれ、強い炎症など別の要因もあるため、痛みが強い場合や悪化する場合は無理をせず相談してください。
ヘバーデン結節のテーピングは曲げた状態で巻いてもいいですか?
基本は指を伸ばした状態で巻きます。曲げた状態で固定すると、曲がった姿勢が強調されやすくなるためです。きつく締め過ぎず、痛みやしびれが出ない強さに調整してください。
反張膝で寝るとき、膝裏にタオルを入れても大丈夫ですか?
仰向けで膝裏がつらい場合は、薄いタオルを入れて膝の反りを和らげる工夫ができます。高さが合わないと違和感が出るため、少しずつ調整してください。
自分の体に関心を持つことから始めよう
痛みの改善に近道はありませんが、体の状態を知り、必要な治療を受け、自分でもできることを続ける。その積み重ねは、必ずこれからの体の使いやすさにつながります。
膝、腰、股関節、手や指の不調について、これからも日常に取り入れやすいセルフケアと体の使い方を発信していきます。無理をせず、でも諦めずに、ご自身の体と付き合っていきましょう。









