膝が痛くても階段は使うべき?睡眠・食事・セルフケアの疑問にお答えします#l030
2026年10月19日

膝が痛くても階段は使うべき?睡眠・食事・セルフケアの疑問にお答えします#l030
膝が痛いと、「できるだけ階段を使わない方がいいんかな」「動かすと、もっと悪くなるんちゃうかな」と心配になりますよね。
痛いときに無理をする必要はありません。ただ、痛みを避けようとして、できる動きまで全部やめてしまうのも、考えものなんです。大事なのは、今の体で無理なくできることを、日常生活の中に少しずつ残していくことです。
そして、膝のために考えてほしいのは運動だけではありません。食事、睡眠、毎日のセルフケア。このあたりを一緒に整えていくことが大切です。普段いただくご相談と、私自身の経験を交えながらお話しします。
目次
- 寒い季節の膝ケアは、身近な保湿のお手入れと一緒に
- 長く続くしびれは、昔のけがだけで決めつけない
- ドケルバン病の術後は、傷の管理と動かし方を確認する
- 検査で異常がなくても、膝の痛みは動作まで見たい
- 夜の膝痛では、寝方だけでなく睡眠そのものも大切
- タンパク質は、鶏肉にこだわらなくていい
- セルフケアを続けるコツは、頑張りすぎない仕組み
- 膝が痛くても階段は使うべき?答えは「状態に合わせて少しずつ」
- 食事・睡眠・運動を、どれか一つに偏らせない
寒い季節の膝ケアは、身近な保湿のお手入れと一緒に
寒くなってくると、膝のつらさが気になる方もいらっしゃいます。そんなとき、お風呂上がりのスキンケアに合わせて、膝の周りもやさしくお手入れしてみてください。
馬油を使う方法もありますが、必ず馬油でないといけないわけではありません。普段使っているクリームやオイルなどで、無理なくケアするという考え方でいいんです。
私がこの仕事を始めた約30年前にも、当時80歳を超えていた患者さんから、馬油のお話を聞いたことがありました。施術の現場では、こちらがお伝えするだけやなく、患者さんの暮らしの知恵を教えていただくこともあるんですね。
ただ、塗るものそのものの働きと、やさしく触れて手入れすることの影響は、分けて考える必要があります。「これを塗れば膝が治る」と考えるのではなく、膝を気にかける習慣として取り入れることが大切です。
長く続くしびれは、昔のけがだけで決めつけない
階段から転落したあと、両腕や指先のしびれが5年間続いている、というご相談がありました。事故直後は腕の感覚がなくなり、その後リハビリも受けられたとのことでした。
こうした場合、文章だけで原因や回復の見込みを判断することはできません。首を痛めた影響も考えられますし、途中から別の原因が加わっている可能性もあります。
「5年前の事故のせいやから仕方ない」と、そのままにしないでほしいんです。今ある症状を改めて整理して、整形外科、できれば首や頸椎を専門に診る先生に相談するのがよいと思います。必要な検査も、診察をもとに判断してもらいましょう。
すでに通院していても、症状が続き、十分な説明が得られていないのであれば、別の医療機関で意見を聞くという選択肢もあります。セルフケアで対応する範囲と、医療機関で確認する範囲は、きちんと分けたいですね。
ドケルバン病の術後は、傷の管理と動かし方を確認する
ドケルバン病の手術を受ける方からは、「濡らさないこと以外に、気をつけることはありますか」という質問をいただきました。
傷を濡らさないという説明は、主に手術後の傷や感染への配慮です。一方で、手をいつから、どこまで動かしてよいかという話は、それとは別に確認する必要があります。
傷の治り方や手術の内容には違いがあるので、自己判断でストレッチを始めず、主治医に時期と範囲を聞いてください。「仕事でこの動作をしてもいいですか」「この体操はできますか」と、具体的に質問すると確認しやすいと思います。
手だけでなく、首や肩のつらさも抱えている方は少なくありません。術後の指示を守りながら、手以外の部分も含めて、無理なく体を整えていくことを考えていきましょう。
検査で異常がなくても、膝の痛みは動作まで見たい
長年プロスポーツを続けてきた方から、「いろいろ検査をしたけれど異常がない。それでも膝が気になる」というご相談もありました。
私もアスリートの体に触れさせてもらうと、一般の方とは筋肉の質が違うと感じます。普段の生活では問題にならない程度の変化でも、高いパフォーマンスが求められる方には、大きな違和感になることがあるんですね。
膝には骨や筋肉、腱だけでなく、お皿の下にある膝蓋下脂肪体などの組織もあります。ただし、名前を挙げられるからといって、それが痛みの原因だと決められるわけではありません。
画像検査の結果に加えて、どんな動きで痛むのか、体をどう使っているのかを確認することが大切です。「異常なしやから気のせい」と片づけず、動作も含めて相談してみてください。
膝が不安定なとき、足振り体操はしてもいい?
足振り体操は、足を浮かせた状態で動かすため、立って体重をかける運動とは負担のかかり方が違います。ただ、「不安定」という感覚の中身は、人によって違います。
- 動かすと強く痛む
- 膝が大きく腫れている
- 強い引っかかりや、気になる音がある
- 医師から運動の制限を受けている
こうした場合は無理に続けず、診てもらっている先生に確認してください。実際の膝を確認していない以上、「誰でも大丈夫」とは言えません。体操をこなすことより、安全に動かせることが先です。
膝の水抜きをしている場合も、治療と相談しながら
週に1回の水抜きを4回受けて、歩くのが楽になってきたというお声もありました。痛みが軽くなると、自分でも何か頑張りたいと思いますよね。
その気持ちは大事にしつつ、膝に水がたまる原因や炎症の状態を踏まえる必要があります。足振り体操などを取り入れる場合も、痛みや腫れが落ち着き、動かしてよい状態かを確認しましょう。体操だけで水抜きが不要になると決めつけず、治療とセルフケアを組み合わせていくことです。
夜の膝痛では、寝方だけでなく睡眠そのものも大切
ストレッチで膝が楽になっても、寝ている間に時々痛む、という方もいらっしゃいます。寝る姿勢は大切ですが、それと同じように、睡眠が十分に取れているかも考えてほしいところです。
私は、しっかり寝ないと調子が出ない方なんです。大学生のころ、時給が高いからとコンビニの夜勤をしたことがあるんですが、体に合わず、申し訳ないけれど1日でやめました。
若いころ、飲みに行って終電を逃したときも、始発まで待つのがどうにも苦手でした。タクシー代がかかっても、まだ暗いうちに帰って寝たかった。それぐらい、私にとって睡眠のリズムは大事なんですね。
もちろん、夜勤のお仕事をされている方もいますし、生活の条件はそれぞれです。私の経験を全員に当てはめることはできません。ただ、短い睡眠で我慢できることと、十分に休めていることは同じではないと思っています。
睡眠時間だけでなく、眠りの浅さや起きたときの感覚にも目を向けてみてください。時計やスマートフォンで記録を取ることも、自分の傾向を知るきっかけになります。寝方や膝の負担については、症状別セルフケアの記事も参考にしてください。
タンパク質は、鶏肉にこだわらなくていい
食事のお話では、鶏肉にアレルギーがあり、高野豆腐や薄揚げ、納豆などを食べている方からご相談をいただきました。
鶏肉をおすすめすることはありますが、アレルギーがあるのに無理して食べる必要はありません。大事なのは、特定の食品にこだわることではなく、自分が食べられるものからタンパク質を取ることです。
大豆食品も選択肢になりますし、問題なく食べられる別の肉類などもあります。私自身、プロテインバーを食べることもありますが、それだけが正解というわけではありません。食べやすさや調理方法も含めて、続けられる形を探していきましょう。
セルフケアを続けるコツは、頑張りすぎない仕組み
手指がつらく、手で膝をマッサージしにくい方には、ドーナツ型の道具を活用する方法もお伝えしています。膝のお皿の周りをケアするとき、手だけで頑張るより楽に取り組める方もいます。
ただ、道具があっても、毎回しまい込んでいたら、取りに行くのが面倒になるんですよね。セルフケアは、内容と同じくらい「続けやすさ」が大事なんです。
- いつも座る場所の近くに置く
- お風呂上がりなど、普段の習慣と組み合わせる
- 一度に頑張りすぎず、無理のない範囲にする
- 手が疲れるなら、負担の少ない方法を選ぶ
足の小指の下にタコができ、外側に体重がかかっていると感じる方もいました。痛い場所だけでなく、普段の体重のかけ方にも目を向けたいですね。膝や腰、股関節などのケアは、さかとう整骨院のセルフケア動画一覧でも紹介しています。
膝が痛くても階段は使うべき?答えは「状態に合わせて少しずつ」
施術中、階段の上り下りがつらい患者さんと話すことがありました。少しよくなってきていたので、長い駅の階段を頑張るのではなく、短い階段や自宅の階段で、できる範囲を考えてみましょうとお伝えしました。
膝が痛い方の中には、家では極力動かないようにして、その一方で運動施設に通わなければと考える方もいます。もちろん施設を使うのもよいのですが、日常生活にも体を動かす機会はあるんです。
例えば、洗濯物を一度に全部運ぼうとして、両手いっぱいに抱えて階段を使う。それで転んでしまったら大変です。痛みの状態が許すなら、少しずつ分けて、慌てず運ぶ方がよい場合もあります。
「また階段を使わなあかん」と思う代わりに、「今日はこれを、無理のないリハビリの機会にしよう」と考えてみる。そんな捉え方もあるんですね。
ただし、痛みを我慢して回数を増やすという意味ではありません。練習するなら、荷物を持たず、1段、2段といった小さな範囲から。安全にできるか不安な方は、専門家に確認してください。
膝を曲げない生活が続く前に、できる動きを見直す
最近、膝が曲がりにくい方も気になります。曲げにくいから使わない、使わないから、さらに動きの変化に気づきにくくなる。そんな流れは避けたいところです。
無理に正座をする必要はありません。ただ、生活の中で膝を曲げる機会が減っていないか、以前できていた動きが難しくなっていないかは、ときどき確認してほしいと思います。便利に暮らすことと、必要な動きを全部なくしてしまうことは、分けて考えたいですね。
食事・睡眠・運動を、どれか一つに偏らせない
一生懸命セルフケアをしても、食事がおろそかになっていたり、十分に眠れていなかったりすると、体を整える土台がそろいません。逆に、よく寝ているからといって、動かなくてよいわけでもありません。
食事、睡眠、運動。この3つを、無理のないバランスで続けること。特別なことを一度だけ頑張るより、毎日の暮らしを少しずつ整えることを大切にしてほしいんです。
「私の場合、何から始めたらいいんやろう」と迷うときは、抱え込まずに相談してください。私も、個別にお話を聞く機会や、継続を支えるセルフケアのプログラムを検討しています。
痛いから全部やめるのでも、よくなりたいから無理をするのでもありません。今できることを見つけて、自分の体と向き合う時間を少しずつ作っていきましょう。









