人身届を出していないと交通事故の治療費は払ってもらえない?整形外科と整骨院を併用する際のポイント#j035
2026年08月10日

人身届を出していないと交通事故の治療費は払ってもらえない?整形外科と整骨院を併用する際のポイント#j035

交通事故後に痛みや違和感があるものの、警察への届出が物損事故のままになっているため、「治療費を請求できないのでは」と不安になる方は少なくありません。
結論からいうと、人身届を出していない、または事故が物損事故として扱われている場合でも、交通事故によるけがであることが認められれば、治療費の補償を受けられる可能性があります。人身事故への切替えと、保険会社に対する損害賠償や治療費の請求は、同じ手続きではありません。
ただし、交通事故との関係を適切に説明し、必要な治療を継続するためには、早めに整形外科を受診し、必要に応じて整骨院での施術も併用することが大切です。
目次
- 「人身届」とは何か
- 物損事故のままでも治療費を請求できる理由
- 交通事故後は整形外科を早めに受診する
- 整形外科と整骨院の併用が望ましい理由
- 交通事故治療で保険会社に伝えておきたいこと
- 物損事故のまま通院するときの注意点
- 交通事故後の通院で押さえるべき流れ
- まとめ
「人身届」とは何か
一般に「人身届」と呼ばれるものは、交通事故によってけがをしたことを警察へ申告し、事故を人身事故として取り扱ってもらうための手続きとして使われる言葉です。
交通事故では、主に次の3つの側面で手続きが進みます。
- 民事上の手続き:治療費、通院交通費、休業による損害、車両などの損害について補償を求める手続き
- 刑事上の手続き:運転者が人を負傷させた場合に、刑罰を科すかを判断する手続き
- 行政上の手続き:免許の点数や処分など、運転免許に関する判断
人身事故として届け出ることは、主に刑事上・行政上の手続きに影響します。一方、治療費などの補償は民事上の問題です。このため、物損事故の扱いであっても、それだけを理由に治療費の請求が当然にできなくなるわけではありません。
物損事故のままでも治療費を請求できる理由
治療費の補償で重要になるのは、事故で負ったけがに対して、必要かつ相当な治療を受けたかという点です。人身届の有無だけで決まるものではありません。
たとえば、事故直後は症状が軽く感じられ、「大丈夫だろう」と考えて物損事故として処理することがあります。しかし、むち打ちのように、時間が経ってから首、肩、背中、腰などの痛みや張りが現れるケースもあります。
症状がある場合は、事故時の届出区分にかかわらず、医療機関に相談することが重要です。受診までの期間が空きすぎると、事故との関係を説明しにくくなることがあるため、痛みやしびれ、動かしにくさを感じた時点で早めに対応しましょう。
交通事故後は整形外科を早めに受診する
交通事故後の体の状態を確認するうえで、まず整形外科の受診が重要です。医師による診察を受けることで、痛みの部位や症状を医学的に確認し、治療方針について相談できます。
特に、次のような症状がある場合は、早めに整形外科へ相談してください。
- 首を動かすと痛い、重い、回りにくい
- 肩、背中、腰に痛みや張りがある
- 手足のしびれやだるさがある
- 頭痛、吐き気、めまいが続く
- 事故後から寝つきが悪い、疲れやすい
- 日常動作や仕事中に痛みが強くなる
外見上の傷がなくても、体に負担がかかっていることがあります。「痛みが強くなってから受診すればよい」と自己判断せず、事故後の症状を具体的に伝えることが大切です。
整形外科と整骨院の併用が望ましい理由
交通事故治療では、整形外科と整骨院を適切に併用することが望ましい場合があります。それぞれの役割を理解し、連携を意識することで、回復に向けた通院を続けやすくなります。
整形外科の役割
整形外科では、医師が症状を診察し、けがの状態や治療方針を確認します。痛みの原因を見極めるための検査や、経過の医学的な確認が必要になることもあります。
交通事故後は、症状が変化することがあります。定期的に整形外科へ通い、痛みの強さ、可動域、しびれの有無、日常生活への影響を医師に伝えましょう。
整骨院の役割
整骨院では、交通事故による首・肩・腰などの不調に対し、体の状態に合わせた施術を受けられます。継続的なケアを通じて、体の動かしにくさや筋肉の緊張などに対応しやすい点が特徴です。
ただし、整骨院だけに通うのではなく、整形外科での診察と並行しながら施術を受けることが重要です。医師の診断や治療方針を踏まえ、整骨院側にも症状や通院状況を共有すると、より一貫した対応につながります。
交通事故治療で保険会社に伝えておきたいこと
整骨院への通院を検討している場合は、事前に保険会社へ連絡し、整骨院で施術を受ける予定があることを伝えておくとスムーズです。連絡なしに通院を始めるより、通院先や症状を共有しておくほうが、後の確認を進めやすくなります。
伝える内容は、難しいものである必要はありません。次のようなポイントを整理しておきましょう。
- 事故後からある痛みや不調の内容
- 整形外科を受診していること
- 整骨院での施術を併用したいこと
- 通院先の名称と連絡先
- 症状の変化や生活・仕事への支障
保険会社とのやり取りに不安がある場合も、通院を止めてしまう必要はありません。まずは体の状態を優先し、整形外科と整骨院に相談しながら必要な対応を進めましょう。
物損事故のまま通院するときの注意点
人身届を出していない場合でも治療費の補償を求めることはできますが、事故後の対応が不十分だと、事故との関係について確認が必要になることがあります。次の点に注意しましょう。
痛みを我慢して受診を遅らせない
事故からかなり日数が経過してから初めて受診すると、その症状が交通事故によるものかどうかを説明しにくくなる場合があります。違和感の段階でも、早めに整形外科へ相談してください。
症状を具体的に記録する
「首が痛い」だけでなく、「振り向くと痛む」「朝に強く張る」「長時間座ると腰がつらい」など、症状が出る場面を記録しておくと、医師や施術者に状態を伝えやすくなります。
自己判断で通院を中断しない
痛みが一時的に軽くなっても、無理をすると症状がぶり返すことがあります。通院頻度や終了時期は、体の状態を確認しながら判断することが大切です。
整形外科の受診を継続する
整骨院で施術を受ける場合も、整形外科で定期的に診察を受け、経過を確認しましょう。医学的な診察と日常的な施術を併用することが、交通事故治療の基本的な考え方です。
交通事故後の通院で押さえるべき流れ
- 症状があれば速やかに整形外科を受診する
- 痛みやしびれなどを具体的に伝える
- 保険会社へ通院状況と整骨院併用の予定を連絡する
- 整形外科の診察を継続しながら、整骨院で施術を受ける
- 症状の変化や日常生活への影響を記録する
人身届を出していないことだけで、必要な治療を諦める必要はありません。事故による不調を放置せず、整形外科で状態を確認したうえで、整骨院の施術も上手に活用することが、回復と適切な補償の両面で重要です。
まとめ
交通事故が物損事故扱いのままであっても、事故によるけがで必要な治療であれば、治療費を請求できる可能性があります。人身届は主に刑事・行政上の手続きに関わるものであり、民事上の補償とは別に考える必要があります。
ただし、事故との関係を明確にし、症状に合った治療を続けるためには、早期の整形外科受診が欠かせません。整形外科で医学的な確認を受け、整骨院で継続的な施術を行う併用通院を検討しましょう。
交通事故の人身届と治療費に関するFAQ
物損事故のままでも整骨院に通えますか?
通院できる可能性があります。交通事故による症状がある場合は、まず整形外科を受診し、整骨院での施術を併用したい旨を保険会社にも伝えましょう。
人身届を出していないと治療費は自己負担になりますか?
人身届を出していないことだけで、必ず自己負担になるわけではありません。事故によるけがであり、治療の必要性が認められるかが重要になります。
交通事故後、整形外科と整骨院は両方通うべきですか?
整形外科で診察と経過確認を受けながら、必要に応じて整骨院の施術を併用する方法が望ましいといえます。通院先ごとに情報を共有し、症状に合った対応を続けることが大切です。
事故から数日後に痛みが出た場合でも受診したほうがよいですか?
はい。交通事故後は、すぐに症状が出ないこともあります。首や腰の痛み、しびれ、頭痛、めまいなどがある場合は、できるだけ早く整形外科へ相談してください。









