膝痛が良くならない本当の原因と自宅でできるかんたん1分トレーニング:内側広筋(内側の速筋)を取り戻す方法#130

2025年11月19日

 

膝痛が良くならない本当の原因と自宅でできるかんたん1分トレーニング:内側広筋(内側の速筋)を取り戻す方法#130

膝の痛みで悩んでいる方へ。私が普段の診療で一番伝えたいのは「内側の速筋(内側広筋)が弱くなること」が膝安定性を損ない、痛みや変形の原因になっているということです。今日は、自宅で道具少しでできる「1分トレーニング」を中心に、ねじれの整え方、内側広筋を意識するコツ、そして日常で使えるバランス訓練まで、順を追って丁寧に説明します。

目次

なぜ内側広筋(内側の速筋)が大事なのか

内側広筋は膝の前面の筋肉群(いわゆる大腿四頭筋)の内側に位置する筋肉で、膝を伸ばすときに内側から支える役割があります。医学研究でも、内側の筋力が低下すると膝関節の安定性が損なわれ、変形性膝関節症のリスクが高まることが示されています(海外の研究や日本の大学研究でも同様の指摘があります)。

実際、膝の内側に痛みがある方や、立ち上がりで膝がガクッとする方は、この内側の力が落ちていることが多いです。筋肉が薄くなると骨が変形して見えることがありますが、実はまず筋力低下が起こり、その結果として関節のアライメント(配列)が乱れることが多いのです。

まずやるべきこと:膝のねじれ(外旋)を戻す

内側広筋を効率よく使うには、まず膝のねじれ(外向きの向き)をある程度戻すことが大切です。外側にねじれていると、膝を伸ばすときに外側へ力が逃げ、内側を使えなくなります。

目安としては、つま先の向きをほんの5〜10度ほど内側に戻すイメージ。実際には「時計の1時や2時の向きから12時に戻す」ような感覚で、膝全体を極端に動かすのではなく、下方(脛骨あたり)の向きを少し中央へ寄せるだけでOKです。

準備するもの

  • ピラティスボール(ミニサイズ。動画で紹介しているものはAmazonで購入可能)

  • なければタオルを畳んで代用

  • 安定した床(ヨガマットや畳)と、壁や椅子のそばで行うと安全

トレーニング1:膝ねじれ戻し(ピラティスボール使用)

目的:外へねじれている下腿部を少し中央に戻し、内側へ力を入れやすくする。

  1. 座った状態で膝を90度に曲げる。

  2. ピラティスボールを膝の少し前(膝関節のやや前方)に挟む。ボールの丸みが足のアーチに触れる位置。

  3. 膝そのものは動かさず、下の骨(脛骨の下方)をほんのわずか内側へ寄せるイメージでボールを押し込む。

  4. 30秒〜1分間、片側ずつ行う。疲れる場合は左右交互に。

ポイントは「膝をくっつける」のではなく「下の部分だけを内側へ寄せる」こと。つま先や足首を使い過ぎないように、足の裏は床に平らに置いて行ってください。

トレーニング2:内側広筋を直接鍛える(膝下を押しつぶす)

目的:内側広筋を収縮させ、膝を伸ばしたときに内側から支える力を取り戻す。

  1. 仰向けか座位で、膝の下にピラティスボールまたは丸めたタオルを置く。

  2. つま先を自分の方向へ引き上げ(足首を少し背屈)、膝を伸ばすように力を入れてボールを内側に押しつぶす。

  3. 強く押しつぶしたらゆるめる、これを左右交互に行い1分程度。

押す方向は外側ではなく真っすぐ内側へ。押すときにお尻が持ち上がる感じがすることがありますが、膝をしっかり伸ばして押し込むことを優先してください。3〜5回でかなり疲れる方が多いです。それが効果のサインです。

トレーニング3:伸ばしながら持ち上げる(押しつぶしの応用)

目的:伸展位から内側の収縮を瞬間的に出す練習。日常の歩行で瞬発的に使う力を鍛えます。

  1. トレーニング2と同じ体勢でボールを押しつぶす。

  2. 押しつぶした状態を作ったら、膝を伸ばしたまま足を少しだけ持ち上げる(ボールがかろうじて接触する高さ)

  3. 10秒程度保持してゆるめる。左右交互に1分を目安に。

ポイントは外側ではなく内側へ力を入れること。持ち上げる際、内側広筋がキュッと硬くなる感覚を意識してください。タオルのほうが高さが出る場合があるので、自分に合う道具で行いましょう。

トレーニング4:横向きでの内側収縮(側臥位)

目的:寝た状態で重力を利用しつつ、内側の筋肉に効かせる方法。骨の角度や筋肉のつき方に左右差がある方におすすめ。

  1. 横向きに寝て、鍛えたい側の足を少し前に出す。

  2. 膝を伸ばしてそのまま押し下げるイメージでボールやタオルを潰す。

  3. 5〜10秒保持してゆるめる。これを1分程度行う。

この方法は膝を伸ばした状態で内側へ圧をかける練習になり、特に座位や立位で内側を使う感覚をつかみやすくします。

バランス体操:足の指の付け根(親指側)で立つ

最後に大事なのは「日常で内側を使う」こと。歩くときや立っているときに、つい小指側に体重が乗ってしまう人が多いので、親指の付け根側に体重を乗せる感覚を訓練します。

  1. タオルを4つ折りにしてその上に両足で立つ(壁や椅子などに手を添えて安全に)。

  2. 足の裏の感覚を意識し、親指の付け根に重心を置くように軽く前寄りに体重をかける。

  3. 膝を伸ばした状態で左右に体重移動をする。内側に体重を乗せるイメージで行う。

この練習により、歩行時に内側広筋が自然に使われやすくなり、膝の安定性が向上します。転倒や不安定が心配な方は必ずすぐそばに支えがある状態で行ってください。

トレーニングの組み立て(おすすめの進め方)

  • ステップ1:膝のねじれ戻し(ピラティスボール挟み)30秒〜1分

  • ステップ2:内側広筋押し潰し(膝下のボール)左右で1分ずつ交互に

  • ステップ3:持ち上げ動作を1分間、左右交互に

  • ステップ4:横向き潰しで補強1分

  • ステップ5:タオル上でのバランス練習1分

合計で10分前後の短時間ルーティンになります。最初は無理せず1日おき、慣れてきたら毎日できると効果的です。

注意点とよくある誤解

  • 痛みが強い場合は無理に押し付けないでください。鋭い痛みがあれば中止し、医療機関へ相談を。

  • 「一つの筋肉だけ」を単独で完全に動かすのは難しいです。他の筋肉も連動して働くことを理解してください。

  • 左右差があるのは普通です。弱い側を重点的に行うとよいですが、疲労でフォームが崩れたら休憩を。

  • 変形があると感じても、筋力を回復させることで痛みの改善や進行防止が期待できます。

まとめ

膝の痛み改善には内側広筋の回復が重要です。まずは膝のねじれを戻すこと、次にピラティスボールやタオルを使って内側を意識して鍛えること、最後にバランス訓練で日常動作に結びつけることがポイントです。短時間で十分効果が出るので、ぜひ毎日の習慣にしてみてください。

よくある質問(FAQ)

ピラティスボールがない場合はどうすればいいですか

タオルを硬めに畳んで代用できます。厚みを出してボールと同じくらいの高さに調整してください。弾力が少ない分、押しつぶす強さを自分で調整しやすいという利点もあります。

膝に腫れや熱感があるときは行っても大丈夫ですか

腫れや熱感がある炎症期は無理にトレーニングしないでください。まずは炎症が落ち着いてから、軽い動きから始めることが安全です。不安がある場合は医療機関で診察を受けてください。

毎日やるべきですか

最初は無理のない頻度で。慣れてきたら毎日短時間(合計5〜10分)でも続けると効果が出やすいです。疲労が強ければ1日おきに行って回復を優先してください。

トレーニングで効果が出るまでどのくらいかかりますか

個人差はありますが、2〜6週間程度で歩行時の安定感や立ち上がりの楽さを実感する方が多いです。継続がカギなので、無理なく続けられる量を毎日続けてください。

変形性膝関節症が進んでいる場合でも効果はありますか

進行した変形があっても、内側の筋力を取り戻すことで痛みの軽減や進行の抑制が期待できます。ただし重度の場合は医師と相談しながら行うことをおすすめします。

ご不明な点があればコメント欄やお問い合わせを利用してください。安全に配慮して、今日から少しずつ試してみましょう。