【変形性膝関節症】ひざの水は抜く?抜かない?どちらがいいの?変形性膝関節症#087
2025年11月20日

【変形性膝関節症】ひざの水は抜く?抜かない?どちらがいいの?変形性膝関節症#087
大阪市都島区のさかとう整骨院の阪藤です。今回は「膝に溜まった水は抜くべきか抜かないべきか」という多くの患者様からよく聞かれる疑問について、私が普段お伝えしている内容を詳しく解説します。変形性膝関節症の方や膝の痛みに悩まれている方、またそのご家族やご友人の方にも役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
動画でご覧いただく場合は上の画像をクリック↑↑
目次
-
膝に水が溜まる原因とは?
-
膝の水を抜くことのメリットとリスク
-
膝に水が溜まっているか簡単にチェックする方法
-
膝の水を抜かずに改善するセルフケアの方法
-
膝の筋肉を鍛えて関節を安定させるトレーニング
-
まとめ:膝の水は抜くべき?抜かないべき?
膝に水が溜まる原因とは?
まず膝の「水」とは何かを理解しましょう。膝関節の内側は関節包(かんせつほう)という袋状の組織に覆われており、関節液という潤滑液が含まれています。この関節液は膝の軟骨同士がぶつからないようにしたり、関節の動きを滑らかにする役割を持っています。また軟骨に栄養を送る重要な働きもあります。
正常な関節液の量は1mmから3mm程度ですが、炎症が起きると30mm以上に増えてしまうこともあります。関節液の量を調整しているのは関節包の内側にある滑膜(かつまく)という組織です。本来、滑膜は古くなった関節液を回収し、新しい関節液を分泌していますが、炎症によりそのバランスが崩れ、過剰に関節液が分泌されて膝に水が溜まってしまいます。
「膝に水が溜まるのは、滑膜の炎症が長引き、関節液の回収と分泌のバランスが崩れてしまうことが原因です。」
滑膜の炎症が起こる主な原因は以下の3つです。
-
変形性膝関節症:加齢とともに軟骨がすり減り、関節の形が変わってしまうことで炎症が起こります。軟骨や半月板などが削られると、そのかけらが関節液内を漂い滑膜を刺激して炎症を引き起こします。
-
外傷や損傷:軟骨損傷、半月板損傷、靭帯損傷など、スポーツや事故による膝への強い負荷も滑膜炎症の原因になります。
-
慢性的な負荷や運動不足:体重増加や姿勢の悪さ、運動不足により膝に負担がかかり、滑膜が炎症を起こします。
膝の水を抜くことのメリットとリスク
膝の水を抜く処置は、炎症によって膝内部の圧力が高まり神経が刺激されて痛みが生じる場合に、一時的な痛みの軽減として非常に効果的です。膝に溜まった関節液には炎症性サイトカインという痛みや炎症を引き起こす物質も含まれているため、水を抜き代わりにヒアルロン酸を注射することで不足した潤滑液の補充や関節の硬縮防止にも繋がります。
しかし、水を抜くだけでは根本的な解決にはなりません。炎症の原因を取り除かない限り、関節液は再び過剰に分泌され、水が溜まる悪循環に陥ります。また頻繁に水を抜くことで以下のリスクも生じます。
-
関節の免疫力低下:関節液は関節を守る役割があり、頻繁に抜くことで保護機能が低下します。
-
関節の弱体化:水を抜く行為自体が膝の構造に負担をかけ、さらなる悪化を招く可能性があります。
変形性膝関節症や半月板損傷に対してよく行われるヒアルロン酸注射は、軟骨を増やしたり損傷を根本的に治すものではなく、あくまで炎症を抑える対症療法であることも理解しておきましょう。
膝に水が溜まっているか簡単にチェックする方法
ご自身の膝に水が溜まっているかどうかを簡単に確認できるテストがあります。
まず、膝のお皿(膝蓋骨)の周りの関節包の範囲をイメージしてください。太ももの中央あたりから膝の上下を押し込むようにして関節液を集めます。膝が晴れていない場合はわかりにくいですが、膝が腫れている場合はお皿がぷよぷよと浮いた感じになり、押すとポコポコと音や感触があることがあります。これが関節液が溜まっているサインです。
このテストで膝の水の溜まり具合を確認し、必要に応じて適切な対策を取りましょう。
膝の水を抜かずに改善するセルフケアの方法
膝の水を抜かずに改善するためには、関節液を吸収する滑膜の働きを回復させることが鍵です。特に重要なのが膝のお皿の上にある「膝蓋上嚢(しつがいじょうのう)」という袋状の組織で、ここに水が溜まりやすくなっています。
膝に水が溜まることで膝周りの筋肉が硬くなり、膝蓋上嚢の動きも悪くなります。これがさらに水分の吸収を妨げる悪循環を生みます。そこで、膝蓋上嚢や膝裏のリンパの流れを良くして、水分の排出機能を高めるセルフケアを行います。
セルフケア①:太ももの前の筋肉を緩める
膝蓋上嚢の上に乗る太ももの大腿直筋や中間広筋の筋肉を緩めることから始めます。壁に軽く体を預け、膝を伸ばした状態で太ももの前を両手でこすりながら揺らします。力を抜いてリラックスしながら約1分間行うと効果的です。
セルフケア②:膝蓋上嚢を集めて動かす
次に、膝のお皿の内側と外側を手で挟み、膝蓋上嚢を持ち上げるようにして集めます。その状態で上下にゆっくり動かし、膝蓋上嚢自体の動きを促進します。これを膝のお皿の上から太ももの中央あたりまで約1分間繰り返します。
セルフケア③:膝蓋上嚢を挟んで軽く振る
厚めのタオルを膝の下に敷いて足の裏が地面につかない高さを作り、膝のお皿の上の膝蓋上嚢を両手で挟みます。挟んだまま膝を軽く振って、滑膜の動きを促します。強く振る必要はなく、リラックスして1分間ほど続けましょう。
セルフケア④:膝裏のリンパを刺激して流す
同じくタオルを膝の下に敷き、膝裏に指を引っ掛けて膝を軽く振ります。膝裏にはリンパ節が多くあり、ここを動かすことで関節液の排出を助けます。こちらも強く押さえすぎず、軽く1分間行いましょう。
セルフケア⑤:膝蓋上嚢を挟んで上に持ち上げながら足を振る
椅子に座り、膝のお皿の骨の横あたりの少し上の部分を両手で挟み、膝蓋上嚢を上に持ち上げます。そのまま足を軽く振って膝蓋上嚢と周囲の筋肉の動きを促進します。1分間続け、疲れたら休憩しても構いません。
膝の筋肉を鍛えて関節を安定させるトレーニング
セルフケアで膝の水が減り状態が改善してきたら、次は膝関節の安定性を高めるために筋力トレーニングを行いましょう。特に内側の内側広筋(ないそくこうきん)を鍛えることが重要です。
おすすめは「パテラセッティング」という膝のお皿を押さえ込むエクササイズです。膝の下にペットボトルなど空気が入っている少し潰れるものを置き、膝を押し付けて筋肉に力を入れます。1分間を目安に、力を入れたり緩めたりを繰り返しましょう。
痛みや腫れが強い場合は無理せず、状態が良くなってきてから取り組んでください。
まとめ:膝の水は抜くべき?抜かないべき?
膝に水が溜まって痛みや腫れが強く、曲げにくいなど日常生活に支障が出ている場合は、初期の段階で水を抜くことは有効な治療法のひとつです。ヒアルロン酸注射も炎症を抑え、痛みを和らげる役割があります。
しかし、水を抜くことだけに頼り続けていると、膝関節自体が弱くなり、動かさないことで筋肉や関節包が硬くなり、悪循環に陥る可能性があります。水を抜いてもらった後は、ご自身でも積極的にセルフケアやリハビリを行い、膝の健康を守る意識を持つことが大切です。
膝の水が溜まる原因とメカニズムを理解し、今回紹介したセルフケアを継続することで、膝の痛みや腫れが軽減し、注射や水抜きの不安や負担から解放されるかもしれません。
膝の痛みでお悩みの方はぜひ「自分の体は自分で直す」という強い意志を持って、今回の方法を実践してみてください。膝の健康を保ち、好きなことを楽しめる生活を目指しましょう。
もし症状が重い場合やセルフケアでうまくいかない場合は、専門家の診察を受けることをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。









