【膝痛】お皿(膝蓋骨)を動かして膝の痛みを治す 応用編 #034

2025年11月19日

 

【膝痛】お皿(膝蓋骨)を動かして膝の痛みを治す 応用編 #034

こんにちは。さかとう整骨院(大阪市都島区)院長の阪藤です。今回は「お皿(膝蓋骨)を動かして膝の痛みを治す」応用編として、自宅でできるセルフケアの詳しいやり方と注意点を分かりやすく解説します。基本編を既に試した方、あるいは「基本では十分に動かなかった」「もう少し細かく調整したい」という方に向けた内容です。

目次

膝蓋骨(お皿)の役割と膝痛の関係

まず簡単に膝の構造を確認します。太ももの前側にある筋肉(大腿四頭筋)は膝を伸ばす働きをし、その力は膝蓋骨を介して膝の中心を通ります。膝蓋骨の裏面はV字の形をしていて、大腿骨の溝にはまり込むことで膝の安定性を保ちます。

膝蓋骨がスムーズに動けば、膝は安定して自然に伸び縮みします。しかし膝蓋骨周囲の組織、特に膝蓋骨の下にある“黄色い脂肪体”(脂肪パッド)が硬くなって癒着すると、膝蓋骨の動きが制限され、

  • 朝起きて最初に立ち上がるときの痛み(動き始めの一歩)

  • 椅子から立ち上がる時の痛み

  • 階段や坂の上り下り時の痛み

などが起こりやすくなります。脂肪パッド自体は痛みに敏感なので、ここが癒着してしまうと強い不快感を招きます。

応用ケアを始める前に:準備と基本の復習

応用ケアは基本編を繰り返して膝蓋骨周囲の可動性が改善してきた方向けです。まずは準備から。

  1. タオルをたたんで膝の下に入れ、膝を少し曲げた楽な姿勢を作る(痛みが強い時は必ず楽な角度で)。

  2. 膝蓋骨の周囲を触って形を確認する。最初は皮膚の下に骨がどの位置か分かりにくいので、軽く上下に動かして「このあたりが上、下」という感覚を掴む。

  3. ピンクや黄色のテープを貼ったように、膝蓋骨周囲の脂肪パッド(イメージ)を意識する。実際には黄色い脂肪があると想像して動かすと分かりやすいです。

復習として行う基本の手技(短時間でOK):

  • 上から下へ押す(骨ごとしっかり押し込むイメージ)

  • 下から上へ押し上げる(皮膚だけでなく、膝蓋骨全体を引き上げる)

  • 内側から外側、外側から内側へと端を押して動かす

応用テクニック:回す(回旋)・浮かす(浮上)・押さえて筋肉で動かす

ここからが応用編の本題です。目的は「膝蓋骨自体をより多方向に動かす」ことと、「動かせない方向に対して周囲組織を動かして相対的に位置をずらす」ことです。

1)回す(膝蓋骨の回旋)

膝蓋骨をダイヤルを回すように時計回り・反時計回りにねじる動きです。指先か手全体を使って、膝蓋骨の上端と下端を操作しながら:

  • 時計回り:下を外側へ、上を内側へねじるイメージ

  • 反時計回り:その逆

各方向30秒ずつを目安に行います。硬い側と柔らかい側がある場合は、より硬い側を丁寧に行ってください。最初は小さな動きでOKです。

2)浮かす(片側を押して反対側を浮かせる)

膝蓋骨の端を押すと反対側が僅かに浮く性質を利用します。具体的には:

  • 内側を押す → 外側が浮く → 浮いた外側の端をフックして軽く持ち上げる

  • 外側を押す → 内側が浮く → 同様にフックして持ち上げる

  • 上を押す → 下が浮く / 下を押す → 上が浮く

それぞれ15〜30秒ずつ、浮いた感覚が分かる程度に行います。浮く感覚で「スッ」と軽くなる場所があれば、癒着がとれて可動性が回復し始めている兆候です。

3)押さえて筋肉で動かす(パテラセッティングの応用)

膝蓋骨を押さえて固定し、その状態で大腿四頭筋を収縮させて周辺の組織を動かす方法です。やり方:

  1. 膝蓋骨の上縁に指を置き、しっかり押さえて下に押し付ける(押し込みは骨に届くようにしっかりと)。

  2. その状態で太ももの前の筋肉に力を入れる(膝を伸ばす力を入れるイメージ)。膝蓋骨は上に上がろうとしますが、押さえてあるので周囲の脂肪や筋膜がずれて動く。

  3. 同様に下縁を押さえたままゆっくり膝を曲げると、膝蓋骨は下に行こうとしますが止めることで下の脂肪が動いて剥がれる感覚が出ます。

この手技は「押さえた状態で筋肉を使う」ことで、膝蓋骨そのものではなく周辺組織(脂肪パッドや滑走面)を相対的に動かして癒着を剥がす効果があります。各パターン30秒を目安に。

実践のコツと注意点

  • 痛みが強い場合は無理をしない:痛みに合わせて力の強さを調節してください。押しすぎや短期間での過度な刺激は逆効果です。

  • 少しずつ回数を増やす:初日は短時間(各手技15〜30秒ずつ)から始め、翌日以降に様子を見ながら回数や時間を増やしてください。

  • 硬い方向=癒着が強い部分:動かしにくい角度や方向があれば、そこを重点的に行いましょう。ただし痛みが強ければ優しく。

  • 頻度:1日1〜2回を目安に、毎日継続すると効果が出やすいです。

  • 禁忌:直近に膝の手術を受けた人、急性の腫脹や熱感がある場合、明らかな感染症の疑いがある場合は行わないでください。心配な方は受診を。

効果が出るまでの目安

個人差がありますが、軽度の癒着や硬さであれば数回のセルフケアで「動きが楽になった」「朝の痛みが軽くなった」と感じる方もいます。長年硬くなっている場合や変形性膝関節症が進行している場合は、継続的なケアや専門家による施術が必要になることもあります。

いつ、専門家に相談すべきか

  • セルフケアを続けても痛みが改善しない

  • 膝に腫れや熱感、赤みがある

  • 歩行に支障が出るほどの痛みや不安定感がある

  • 過去に膝の手術歴がある、またはレントゲンで変形が指摘されている

こうした場合は整形外科や整骨院での検査・施術をおすすめします。当院でもご相談を受け付けています(予約制)。

よくある質問(FAQ)

Q1:押すと痛いのですが、続けても大丈夫ですか?

A1:痛みがある場合は無理に強く押さえないでください。初めは優しい圧で行い、動きが出てきたら徐々に圧を上げていきます。急性の炎症があればまず受診を。

Q2:毎日どれくらいの時間やればいいですか?

A2:1回あたり5〜10分、1日1〜2回が目安です。短時間を毎日継続する方が効果的です。

Q3:高齢でもこのケアは有効ですか?

A3:年齢に関係なく膝蓋骨周囲の可動域を改善することは可能ですが、関節の変形や他疾患がある場合は調整が必要です。違和感や強い痛みが出る場合は専門家に相談を。

Q4:整形外科でヒアルロン酸注射を受けていますが併用してもいいですか?

A4:基本的には併用可能ですが、注射後の指示に従ってください。注射直後は刺激を与えず安静の指示がある場合もあります。

Q5:どれくらいで効果を感じますか?

A5:数回で改善を感じる人もいれば、数週間かかる人もいます。継続が鍵です。変化がなければ専門家の評価を受けましょう。

まとめ

膝の痛みで多いのは「動き始めの痛み」や「膝蓋骨周辺の違和感」です。膝蓋骨自体の動きを改善することで、痛みの軽減や日常動作のしやすさ向上が期待できます。今回紹介した回旋(回す)、浮かす(浮かせてフックする)、押さえて筋肉で動かす(パテラセッティング)は、基本編のステップができる方がより効果を実感しやすい応用テクニックです。

無理をせず、痛みの程度に合わせて少しずつ取り入れてください。必要があれば当院へご相談ください。症状を詳しく伺った上で、適切な施術やセルフケアのアドバイスをいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。実践してみた感想やご質問があればコメントやお問い合わせからどうぞ。