【変形性膝関節症の方が弱っている筋肉はこの3つ!】座ってできる膝トレーニング3選#037
2025年11月19日

【変形性膝関節症の方が弱っている筋肉はこの3つ!】座ってできる膝トレーニング3選#037
こんにちは。大阪市都島区 さかとう整骨院の阪藤です。本記事では「変形性膝関節症で弱くなりやすい筋肉」と、椅子に座ったままでできる簡単なトレーニングを3種類、実践しやすい順に丁寧に解説します。私が普段の診療で患者さんに推奨している方法を、動画と同じ流れで言葉にしてまとめました。短い時間で続けやすく、安全に行える内容ですので、膝の痛みで歩行や運動がつらくなっている方はぜひ日常に取り入れてみてください。
目次
この記事のポイント(概要)
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変形性膝関節症では「内側の筋肉(内側広筋/内転筋)」「すねの筋肉(前脛骨筋)」「太もも裏(内側ハムストリングス)」の3つが弱くなりやすい。
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座ってできる簡単な体操を毎日行うことで筋肉量が増え、膝関節の安定性が向上する。
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1回あたりの運動は10秒ずつの保持を基本にし、無理せず1種目ずつ続けることが重要。
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運動療法は最新の整形外科ガイドラインでも推奨度が高く、継続で痛みの軽減や軟骨の摩耗抑制、人工関節になるリスク低下の報告がある。
なぜ「座ってできる運動」が良いのか?
膝が痛くなると歩く量や運動量が自然と減り、結果として膝周りの筋肉量が低下します。筋肉量が減ると膝を支える力が落ち、さらに痛みが増すという悪循環に陥りがちです。特に変形性膝関節症の方は、膝の内側の筋肉(内側広筋や内転筋)やすねの前の筋肉(前脛骨筋)、太もも裏の内側部分(ハムストリングス)が弱くなりやすい傾向にあります。
座って行う運動は、立位が怖い・不安な方でも安全に始められ、テレビを見ながらや通勤前後のちょっとした隙間時間に取り入れやすいのが利点です。1セットは短く、10秒の保持を基準にするので続けやすく、継続することで膝の安定性向上と痛みの軽減につながります。
鍛えるべき3つの筋肉と役割
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内側広筋(太もも前の内側):膝をしっかり伸ばす力を担う。弱いと膝蓋骨や関節面への負担が増える。
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前脛骨筋(すねの前の筋肉):足首を背屈(つま先を上げる)させる筋肉だが、膝を伸ばすときに連動して働く。
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内転筋・内もも〜ハムストリングス(太ももの裏側内側):股関節の安定や膝を引き寄せる動きで重要。膝の内側支持力に寄与する。
準備するものと基本姿勢
準備物は身近なものだけでOKです。
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椅子(安定したもの)
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ティッシュボックスや小さめのクッション(足の間に挟むため)
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必要ならクッションや手すりで体を支える補助
座るときは背筋を伸ばし、骨盤をやや前傾させるイメージで座ります。足は床につけ、膝が90度前後になる高さに調整してください。痛みが強い場合は無理に深く曲げず、可能な範囲で行います。
エクササイズ1:内側広筋を鍛える(ティッシュ箱挟み・膝伸ばし)
目的:膝を伸ばす力を強化し、膝関節の安定化を促す。
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椅子に座り、足の内側にティッシュの箱(またはクッション)を挟みます。
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膝をゆっくり曲げた状態から、前腿の内側に力を入れながら膝を伸ばし、まっすぐにします。
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伸ばした状態で10秒間キープ。内ももに力を入れて箱が落ちないようにします。
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ゆっくり下ろして休む。これを5回1セット。慣れてきたら箱の向き(幅)を変えて負荷を調整します(横向き→縦→さらに細く)。
ポイント:膝を上げる際に体が斜めにならないよう、まっすぐに伸ばすこと。内側にしわが寄る(力が入っている)感覚があれば成功です。最初は椅子の背もたれに軽く手を置いて支えても構いません。
エクササイズ2:前脛骨筋を鍛える(すねを使った足首の背屈+挟み動作)
目的:すねの筋肉を強化することで、膝を伸ばす動きと連動した安定性を高める。
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椅子に座り、ティッシュ箱を足の親指付け根付近で挟みます(箱の位置を前寄りにすると上げやすい)。
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かかとは床に付けたまま、つま先(足首)を上に引き上げます。つま先を上げると同時に膝にも力が入ります。
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その状態を10秒キープしてゆっくり下ろす。これを5回繰り返します。
ポイント:前脛骨筋に力が入って固くなる感触(ブルーのテープを貼った位置が固くなる感触)があればOK。箱を強く潰しすぎないようにバランスよく挟みましょう。慣れてきたら立てて行うバリエーションもあります。
エクササイズ3:内転筋・ハムストリングスを鍛える(椅子裏にかかとをかけて膝を引き寄せる)
目的:太ももの裏側と内側を強化し、股関節〜膝の連動を改善して膝の内側支持を高める。
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椅子に浅く座り、片方の足のかかとを椅子の背もたれの内側(裏側)にかけます。
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かかとを引っ掛けたまま膝を曲げ、股関節も曲げるようにして足を体に引き寄せます。引き寄せるときに太ももの裏や内側に力を入れます。
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その状態を10秒キープしてゆっくり戻す。痛みがある場合は曲げる角度を浅めに調整してください。
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左右それぞれ5回ずつ行います。
ポイント:椅子の背にかかとがしっかり引っ掛かっていると内側に力が入りやすくなります。手の力で引っ張るのではなく、足自体の力で引き寄せる感覚を意識してください。
トレーニングの実際の流れ(おすすめの組み方)
動画では各エクササイズを「幅の広いバージョン→中くらい→細い(締め付けを強める)」という順に負荷を上げながら行っています。すべて行うと大変なので、まずは以下のようなシンプルな組み方で始めてください。
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内側広筋:10秒×5回(幅広)
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前脛骨筋:10秒×5回(幅広)
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内転筋/ハム:10秒×左右各5回
目安は毎日行うこと。テレビのコマーシャル中や朝の歯磨き後など、生活の「隙間時間」に取り入れると習慣化しやすいです。
注意点とセルフチェック
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運動中に強い痛みや違和感が出たら無理をしないで中止し、整形外科や専門家に相談してください。
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回数や保持時間は痛みの程度に合わせて減らして構いません。大事なのは継続です。
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膝が斜めにねじれないよう、まっすぐ伸ばすことを意識してください。
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挟む道具(ティッシュ箱等)はご自宅のクッションや小さな枕でも代替可能です。
期待できる効果(研究やガイドラインから)
2023年の整形外科ガイドラインでは「運動療法」が高く推奨されています。また、過去の研究(2012年の報告など)では、大腿四頭筋の内側(内側広筋)を太くできれば膝の痛みが減り、軟骨のすり減りを抑え、人工関節になるリスクが下がる可能性が示されています。つまり、関節自体を直接治療するだけでなく、周りの筋肉を強化することで膝全体の健康を守ることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1:毎日やらないとダメですか?
A:理想は毎日です。ただし無理をして続けられないより、週に数回でも定期的に続けることが大切です。1日おきでも効果は期待できます。最初は回数を減らして様子を見ながら徐々に増やしてください。
Q2:運動中に少し痛みが出ます。やめたほうがいいですか?
A:軽い違和感や「じわっとした疲労感」は問題ないことが多いですが、鋭い痛みや増悪する痛みが出た場合は中止してください。痛みが続く場合は医師や専門家に相談しましょう。
Q3:立って行うバリエーションはありますか?
A:はい。内側広筋や前脛骨筋は立位でも行えますが、まずは座位で安定して行えるようにしてから立位に移行するのがおすすめです。立位では転倒リスクに注意してください。
Q4:道具がないとできませんか?
A:ティッシュ箱を例にしましたが、クッションや小さめの枕、畳んだタオルなど、挟めるものなら何でも代用可能です。ポイントは「内側に力を入れて締める」感覚を作ることです。
Q5:どのくらいで効果が出ますか?
A:個人差がありますが、継続して数週間から数ヶ月で歩行時の安定感や痛みの軽減を感じる方が多いです。筋量の増加や神経筋連携の改善には時間がかかるため、焦らず継続することが重要です。
最後に(継続のコツ)
大切なのは「続けること」です。10秒×数回という短い運動を毎日の生活に組み込むだけで、膝の安定性は徐々に改善していきます。テレビを見ながら、トイレに座っているとき、椅子に座るちょっとした時間に取り入れてください。痛みが強い、改善しない場合は一度受診いただければ、個別に運動強度や施術プランをご提案します。
この記事が役に立った、実践してみようと思っていただけたらうれしいです。ご質問や不安があればコメントやお問い合わせでどうぞ。お一人お一人に合った方法を一緒に考えていきましょう。









