【変形性膝関節症】膝のサプリメントは効果があるのか? #041

2025年11月19日

 

【変形性膝関節症】膝のサプリメントは効果があるのか? #041

こんにちは、さかとう整骨院(大阪市都島)院長の阪藤です。本記事では「膝のサプリメントは本当に効くのか?」という多くの方からの質問に対して、臨床での経験と解剖学的な視点から分かりやすく解説します。動画でもお話しした内容をベースに、なぜサプリメント単独では効果が出にくいのか、そして自宅でできる簡単な体操(膝ブラブラ体操・足ブラブラ体操)で何が改善できるのかを詳しくまとめました。

目次

サプリメントは本当に効くのか?(結論)

端的に言うと、多くの研究や海外の規制当局(例:米国のFDA)の見解を踏まえると、グルコサミンやコンドロイチンなどの経口サプリメントだけで膝の痛みや軟骨の再生を劇的に改善するのは難しい、というのが現時点での正直な結論です。

「グルコサミンやコンドロイチンは膝関節の健康には重要な成分ですが、経口摂取した成分が軟骨に十分届くかは別問題です。」

理由はシンプルです。サプリメントは消化・吸収されて血液に乗りますが、軟骨自体は血流が乏しい組織です。軟骨に栄養や成分を届ける主なルートは「関節内部の滑液(関節液)」であり、この滑液を介して軟骨に栄養が行き渡ります。したがって、外から摂った成分がそのまま軟骨に届くとは限りません。

膝関節の基本:軟骨・滑液・滑膜の役割

膝関節の重要な要素を整理します。

  • 軟骨(黄色で示した部分):水分を多く含み、滑らかに関節を動かすクッションの役割をしています。摩耗や老化で厚みが減ると痛みが出ます。

  • 滑液(関節液):軟骨に栄養を供給し、関節の潤滑を助けます。滑液が良好であることが軟骨の健康に直結します。

  • 滑膜(synovium):滑液を生成する組織で、関節内を包む袋の内側にあります。正常な滑膜は新鮮な滑液を分泌し、老廃物を排出します。

長年の使用や炎症により滑膜の機能が落ちると、新しい良質な滑液が十分に作られず、老廃物がたまって軟骨に栄養が届きにくい状態になります。これが「動き始めに膝が痛い」「朝起きた時にこわばる」といった症状の一因です。

なぜ「動かす」ことが滑液の循環を良くするのか

滑膜や滑液は静止したままだと代謝が停滞します。関節を軽く動かすことで滑膜が伸縮し、滑液の分泌と排出が促され、結果として関節内の代謝が改善されます。サプリメントを飲むよりも、まずは関節内の循環(滑液の質と流れ)を整えることが重要です。

自宅でできる簡単な体操:膝ブラブラ体操と足ブラブラ体操

ここからは実践編です。どちらも短時間(片側30秒程度)ででき、朝や長時間座った後に行うと効果的です。力を抜いて「関節の隙間を開く」イメージで行ってください。

① 膝ブラブラ体操(椅子に座って)

手順:

  1. 椅子に座り、両手を後ろから膝の裏で組みます(膝を軽く抱えるように)。

  2. 膝から下(すね・足先)を力を入れずに脱力させ、ブランコのように前後にゆらゆら揺らします。

  3. 1回につき約30秒を目安に、左右それぞれ行います(痛みが強い側は無理せず短めに)。

  4. ポイント:筋肉で振らない。脱力して関節の隙間がゆるやかに広がるイメージで。

この体操は膝関節の内側にある滑膜をやさしく刺激し、滑液の循環を促します。筋トレではなく「関節テクニック」に近い感覚です。

② 足ブラブラ体操(踏み台に片足を乗せて)

手順:

  1. 安定した踏み台や階段の段差に片足を乗せます。壁に手を添えてバランスを取りましょう。

  2. 股関節の付け根から脚全体をゆったりと脱力させ、前後にゆらゆらと振ります。膝だけでなく股関節から動かす感覚が大切です。

  3. こちらも片側30秒を目安に行い、左右交互に実施します。

  4. ポイント:力を入れて蹴るようにしない。体幹や腕の振りを使って脚を自然に動かす。

これらの動きは朝の「動き始め」や長時間座った後に行うと効果が高いです。目安として朝晩、あるいは一日数回(朝・昼・晩)の実施がおすすめです。合計でも数分で終わりますので、テレビのCM中に行うなど日常に取り入れやすい体操です。

効果が期待できる理由(まとめ)

  • 体操によって滑膜が伸縮し、滑液の新旧の循環が促される。

  • 循環が良くなると軟骨へ栄養が届きやすくなり、痛みが軽減しやすい。

  • サプリメント単独では滑膜・滑液の問題は解決できないため、運動と併用することが現実的。

注意点と受診の目安

以下の場合は無理に体操せず、まず医師や整形外科、整骨院に相談してください。

  • 歩行不可能なほどの強い痛みがある場合

  • 膝が激しく腫れて熱感(発赤)がある場合(感染や重度の炎症の可能性)

  • 既に治療中で医師から安静指示が出ている場合

体操が合わないと感じたら中止し、医療機関での診断を受けましょう。必要に応じてヒアルロン酸注射や他の治療法が検討されることがあります(別動画でも解説しています)。

よくある質問(FAQ)

Q1:サプリメントは全く無意味ですか?

A1:全く意味がないとは言い切れませんが、期待するほどの痛み改善や軟骨再生効果があるとは証明されていません。補助的に飲むことは構いませんが、まずは関節の循環を改善する運動を優先してください。

Q2:毎日どのくらい体操すればいいですか?

A2:片側30秒ずつを朝晩、あるいは朝・昼・晩の1日2〜3回を目安に行うと良いです。合計でも数分ですので継続しやすいはずです。

Q3:痛みがある時はやらない方がいいですか?

A3:痛みが激しい急性期は避け、痛みが落ち着いてきたら軽く始めてください。痛みの程度によっては医師に相談の上で行うことをおすすめします。

Q4:年齢が高くても効果はありますか?

A4:年齢にかかわらず滑膜や滑液の循環を促すことは有効です。無理のない範囲で行ってください。

最後に(まとめ)

膝の痛みに対してサプリメントだけに頼るのではなく、まずは「関節を動かして滑液の循環を良くする」ことが大切です。今回紹介した膝ブラブラ体操・足ブラブラ体操は短時間ででき、臨床でも痛みの軽減を実感する方が多い簡単な方法です。

もし体操を試してみて「少し楽になった」「動きやすくなった」と感じたら、それを継続することでさらに効果が期待できます。不安がある場合や痛みが続く場合は、早めに医療機関へご相談ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。院としても一人ひとり丁寧に対応していますので、質問や相談があればお気軽にお問い合わせください。

追記:動画で実演している他の体操やヒアルロン酸注射に関する情報も公開しています。合わせて参考にしてください。