【膝痛必見】ひざに負担をかけないイスの立ち方・座り方 #052

2025年11月19日

 

【膝痛必見】ひざに負担をかけないイスの立ち方・座り方 #052

こんにちは。さかとう整骨院(大阪市都島区)の阪藤です。本記事では、私が動画でお伝えしている「ひざに負担をかけないイスへの座り方と立ち方」を、わかりやすく文章でまとめました。膝が痛くてつい「ドシン」と椅子に座ってしまう方、骨密度が低下していて圧迫骨折が心配な方に向けた予防と実践のポイントを、臨床での知見とともに丁寧に解説します。

目次

    なぜ「ドシン」と座るのが危険なのか

    膝が痛いと、座る瞬間に太もも前側の力(大腿四頭筋)を使うのがつらくなります。椅子の座面付近まで来たときに力尽きて、手をつくかお尻を勢いよく落としてしまう——その「ドシン」という動作は思っている以上に衝撃が大きく、腰の背骨(特に腰椎)に強い負荷がかかります。

    上からの重み(体重+頭の重さ)と下からの衝撃が同時に背骨に加わると、骨が潰れるような「圧迫骨折」を引き起こすことがあります。特に骨密度が低下している方は微細な衝撃でも骨に傷がつくことがあるため注意が必要です。

    圧迫骨折とは?数字で見るリスク

    圧迫骨折は、背骨の椎体が潰れるように折れる骨折です。治癒するまでには年齢にもよりますが概ね3ヶ月程度、胸の下から腰にかけて硬いコルセットのような装具を装着して安静にする必要があります。これにより活動量が落ち、下半身の筋力低下やADL(生活動作)の低下につながる恐れがあります。

    • 70代男性の発症率:およそ10.8%

    • 70代女性の発症率:およそ22.2%(男性の約2倍)

    • 圧迫骨折を起こした人のうち、約10.3%が寝たきりにつながったデータあり

    • 背骨に1箇所圧迫骨折があると、5年内に次の圧迫骨折が起きる確率は2.4倍

    • 圧迫骨折が2箇所以上ある場合、圧迫骨折がない人に比べ4.9倍のリスク

    こうした数字からも、日常のちょっとした動作の工夫がいかに重要かがおわかりいただけるはずです。

    膝に負担がかかる座り方のメカニズム

    一般的に「ゆっくり膝を曲げて座る」動作は、スクワットのように大腿四頭筋を長時間・多量に使うため、膝関節への負担が大きくなります。太ももの前側が過度に働くと、膝蓋骨(お皿)周囲の圧迫や痛みが強くなり、「もう無理」となって勢いよく座ってしまう、という悪循環になりやすいのです。

    また、ゆっくり下ろす動作は関節と筋肉に負担がかかりやすく、階段の降り方でも同様の問題が生じます。ですから、膝への負担を減らすには「太ももの力に頼らない」動作パターンを身につけることが重要です。

    膝に負担をかけない座り方(実践ステップ)

    ここからは実際のやり方を具体的に説明します。ポイントは「頭の重さを使うこと」「お尻(骨盤)の高さをコントロールすること」です。頭を前に下げることでお尻が後ろに上がる“シーソー効果”を利用します。

    1. 足幅は肩幅程度に開き、両手を膝の上に軽く置きます。膝が痛い場合は軽く伸ばしたままでもOKです。

    2. 頭を前に下げる(お辞儀をする)ようにしていきます。頭を下げることで自然に腰とお尻が下がってきます。

    3. 胸と膝が近づく位置まで下げられれば、ほとんど座面に近づいているはずです。ここまで来たらゆっくりとお尻を座面につけます。

    4. 慌てずに、ゆっくりと体を起こして座りましょう。テーブルが前にあれば手で支えても構いません。

    ゆっくり下ろすのは一見しんどく感じますが、使う筋肉は太ももではなく体幹・臀部(背中やお尻)の大きな筋肉です。これらを使うことで膝にかかる負担を減らします。

    膝に負担をかけない立ち上がり方(実践ステップ)

    立ち上がるときも基本は逆の動きです。頭を下げてお辞儀をし、重心を少し前に移してから背中の力で起き上がります。

    1. 椅子に座った状態で両手を膝に置く。

    2. 頭を前に下げて重心を前に持ってくる(足の重心をかかと寄りではなく母趾側寄りに)。

    3. 頭を下げた状態でお尻が上がりやすくなるので、背中の力で体を起こすようにする。

    4. 必要に応じて片方の脚に重心を多めに乗せる(痛い側を少し楽にするため)など調整する。

    ここでのコツは「手の力で立ち上がらない」こと。膝が痛いと腕で引き上げようとしがちですが、それは余計に腕を痛めたり無理な負担をかける原因になります。

    正面から見るポイント(足の向き・幅)

    正面から見るときは足の向きが大切です。膝と足先が同じ方向(まっすぐ)を向いていること、足の幅は肩幅程度に保つことが基本です。足が外向きになっているとやりにくく、膝を痛める可能性があります。

    また、足を前に出しすぎると立ち上がり動作が難しくなるので、膝が約90度になる位置、またはややお尻側に足を置くイメージが立ちやすいです。

    よくある間違いとその対処法

    • 手ですべて支えて座ろうとする:腕で座ると腕や肩が疲れ、無理な力が加わります。頭の重みとお尻の位置を使うことを意識してください。

    • ゆっくり下ろす=太ももに負担がかかると誤解する:ゆっくり下ろす際に使う筋肉を太ももではなく体幹・臀部にすることで膝の負担を軽減できます。

    • 足先が外を向いている:膝と足先を真っすぐ揃えることで膝関節への不要なひねりを防げます。

    練習のコツと注意点

    何度か練習して身体に覚え込ませることが大切です。最初はゆっくりで構いません。慣れてきたら日常生活の中で意識的にこの動作を使ってみてください。

    ただし、次の場合は無理をせず医師や専門家に相談してください:

    • 動作中に強い痛みが出る

    • 腰や下肢にしびれや脱力がある

    • 既往歴で骨折や重度の骨粗鬆症と診断されている

    FAQ(よくある質問)

    Q1: 「ドシン」と座るだけで本当に圧迫骨折になるのですか?

    A1: 骨密度が低下している方は、尻もちのような衝撃や勢いよく座る動作で微細な骨折(微小な圧迫骨折)を起こすことがあります。初期は腰痛としてしか感じない場合もありますので注意が必要です。

    Q2: 頭の重さが関係すると言っていましたが、どれくらいの重さですか?

    A2: 成人の頭の重さは一般的に4〜6kg、体重の約10%程度と言われています。頭が上にのっていることで、姿勢や衝撃の伝わり方が変わり、背骨の負担に影響します。

    Q3: 片側の膝だけ痛い場合はどうすればよいですか?

    A3: 立ち上がるときに痛い側に直接体重をかけるのが難しければ、最初は反対側に重心をやや多めにかけて立ち上がる工夫をしてください。ただし左右のバランスを完全に崩さないよう徐々に練習で均衡を取り戻すことが大切です。

    Q4: どのくらい練習すれば良いですか?

    A4: 個人差はありますが、毎日数回、実際の椅子で意識的に行うことで数週間で慣れてきます。痛みが強い場合や動作が難しい場合は専門家の指導を受けてください。

    まとめとクリニック案内

    本記事でお伝えしたポイントをまとめると:

    • 「ドシン」と座る動作は背骨に大きな衝撃を与え、圧迫骨折のリスクを高める。

    • 骨密度が低下していると圧迫骨折や微小骨折が起きやすい(特に高齢女性のリスクが高い)。

    • 膝に負担をかけないコツは「太ももに頼らない」「頭の重さとお尻の高さを使う」こと。

    • 実践では、膝に手を添え、頭を前に下げて(お辞儀)、胸と膝を近づけるようにして座る・立つ練習を繰り返す。

    動画で実際の動きを見たい方は、さかとう整骨院のチャンネルをご覧ください。院では膝の治療や運動指導、個別の施術も行っています。動きが難しい、痛みが取れないという方は一度ご相談ください。

    最後までお読みいただきありがとうございました。日常のちょっとした工夫で、膝や腰の負担は確実に減らせます。無理せず、でも諦めずに少しずつ練習していきましょう。