【手根管症候群】手首の痛み・指先のしびれを緩和する実践的セルフケア(改善版)#137

2026年01月4日

手首のしびれや指先の痛みを放っておくと、毎日の家事や仕事に支障が出ます。私は臨床で多くの方をみてきて、手首だけでなく手のひらや前腕のこわばりをほぐすことが非常に重要だと実感しています。ここでは自宅で続けやすい手順を、やり方・時間目安とともに分かりやすく紹介します。症状が強い場合は医療機関での診察を優先してください。

目次

手根管症候群とは

手根管症候群は、手首の手根管という狭いトンネル内で正中神経(せいちゅうしんけい)が圧迫されることで、親指から薬指の半分までにしびれや痛みが出る状態です。手のひらの腱やそれを覆う膜が炎症で厚くなると通り道が狭くなり、神経を圧迫します。

特徴的なのは夜間から早朝にかけて症状が強くなることと、進行すると母指球(親指付け根)の筋肉がやせて物をつまみにくくなる点です。軽い段階であれば、日常的なセルフケアで改善が期待できます。

まず確認するセルフチェック

  • ファーレンテスト:手首を90度に曲げて約1分保持すると、親指〜薬指にしびれが出るか確認。

  • チネル徴候:手首の上のトンネル部分を軽くたたいてしびれが出るか確認。

これらのチェックで陽性だったり、日常生活に支障がある場合は専門医での診察をおすすめします。

改善のためのセルフケア:私のおすすめ順

ポイントは「手首だけでなく、手のひら・前腕・首までを一連でほぐす」こと。以下を目安に毎日続けてください。

1. 手ぶらぶら体操(ウォームアップ)

肩の力を抜いて腕をぶら下げ、肩の上に反対の手を置いて指先を小さく振る。指先から手首、前腕まで軽く振動を伝えるイメージで30秒を3セット。緊張している手をまずゆるめるための準備運動です。

2. 正中神経ストレッチ(首〜腕の連続ストレッチ)

椅子に座り、指を広げて手のひらを上に向け、手首を反らせて後方へ。肘はなるべく伸ばし、首を患側と反対へ傾ける。10秒保持を3回、次に肩を持ち上げて10秒、下げて10秒を3セット。その後、手首を回旋させる動きを入れて各10秒ずつ。正中神経が首から指先まで走行しているイメージで行うと効果的です。

3. 手のひらマッサージ(母指球・小指球・アーチ)

薄手の滑り止め手袋(市販)を使うとやりやすいです。小指側(ヒポテナー)と母指球(親指付け根)をそれぞれ30秒ずつ、触れて痛い部分は避けてやさしくほぐします。手のアーチ部分は下から押し上げるようにして1分ほど。皮膚を滑らせるように軽い力で行ってください。

4. 正中神経通し(滑走補助運動)

曲げると神経が近づくため、指を曲げるときに手のひら側を軽く押して滑りを補助します。指をゆっくり曲げてから伸ばす動作を1分間繰り返す。腱と神経の通り道をスムーズにするイメージで行います。

5. 前腕マッサージ(肘〜腋窩まで)

前腕の内側と外側を滑り止め手袋で押しながらほぐす。特に肘の内側から上腕にかけて走る筋膜が硬くなると正中神経を圧迫することがあります。痛みを感じる場合は無理せず、温かい状態(入浴後)に行うのが効果的です。1分程度で十分。

6. 腱滑走運動(浅指屈筋・深指屈筋の動き)

指先の関節を段階的に動かす運動で腱の滑りをよくします。順序は以下の通り。

  1. 指を伸ばした状態で10秒保持

  2. MP関節(指の付け根)だけを曲げて10秒保持

  3. PIP関節(中間関節)だけを曲げて10秒保持

  4. ゆっくり伸ばす

これを両手で1セット、2回行う。次に指先を丸めるように握り10秒、緩めて10秒を1分ほど繰り返します。腱がスムーズに動くことで手根管内の圧が変わり、しびれが和らぐことが期待できます。

注意点と続けるコツ

・痛みが強い場合や筋力低下(母指球のやせ)がある場合は早めに専門医を受診してください。ファーレンテストやチネル徴候が陽性なら受診を検討してください。

・毎日少しずつ続けることが大切です。入浴後や寝る前を習慣にすると継続しやすいです。

・無理に強く押したり、痛みを我慢して行わないこと。違和感が強ければ中止して相談を。

手根管症候群のセルフケアはどれくらいで効果が出ますか

個人差はありますが、継続して1〜4週間で変化を感じる人が多いです。まずは1週間毎日、続けられる範囲で行い、改善が見られれば習慣化してください。症状が強い場合は医師の診断を受けてください。

マッサージ用手袋がないときはどうすればいいですか

手袋が無くても指の腹や親指の腹で軽くこするだけで十分です。滑りをよくするために少量のクリームを使うのも有効です。いずれにせよ過度な圧は避けてください。

手首にサポーターをつけながらセルフケアしてもいいですか

日中の作業で手首を安定させたい場合は短期的にサポーターを併用して構いません。ただし、筋肉や腱の滑りを改善するためには適度な動きも必要なので、セルフケア中は外して運動したほうがよい場合があります。

症状が改善しないときはいつ手術を検討すべきですか

保存療法を数週間〜数か月試しても改善が乏しい、夜間のしびれで睡眠に支障がある、母指球筋の萎縮が始まっている場合は手術の適応となることがあります。専門医と相談してください。

最後に

手根管症候群は手だけの問題に見えて、肩や首、前腕の使い方が影響することが多いです。毎日短時間ずつ続けることで症状の改善や再発予防につながります。無理せず、自分の体と対話しながら取り組んでください。応援しています。